
10月29日の記事の続報です。Binance は2026年10月30日の更新で、初期調査の結果、DevOpsエンジニアのノートPCが侵害された可能性があり、それにより攻撃者がサービスコンテナにアクセスして不正な出金トランザクションを送信したとみられると発表しました。ウォレットの秘密鍵が漏えいした証拠は見つかっていないとしていますが、ノートPCがどのように侵害されたかは明らかにしていません。
ノートPCだけが原因ではありません。Binance はその後の声明で、ほかにも侵入経路を特定したと述べていますが、詳細は公表していません。共同CEOの Richard Teng 氏は攻撃が複雑なプロセスを経たものだと説明しました。Malwarebytes の Pieter Arntz 氏は、侵害されたノートPCは攻撃の起点を示すかもしれないが、それだけで数十億ドルが流出した理由は説明できないと指摘しています。
規模と経緯:Binance は被害を約63億ドルと推定しています(外部の推計は当初最大58億ドル)。TRM Labs によると、約63.6億ドルが10のネットワークにまたがって Binance のウォレットから流出し、その大半は10月29日20時05分(GMT)頃から約20分間に集中しました。TRM は、少なくとも36時間前から Tornado Cash 経由の資金準備や攻撃コードのテストが行われ、Ethereum 上では EIP-7702 の承認を使って Binance のウォレットに攻撃者のコードを実行させたとしています。
攻撃者:TRM Labs は北朝鮮の Lazarus 関連グループ TraderTraitor の犯行と高い確度で判断し、Chainalysis の CEO Jonathan Levin 氏も TraderTraitor の可能性が高いとしています。ただし Binance は攻撃者を特定しておらず、政府による公式な帰属も出典では確認されていません。
現状:Binance はパートナーと協力して約30億ドルをオンチェーンで凍結したとしています(凍結は返還とは異なります)。損失は SAFU 基金と自社資金で補償し、顧客には負担させないとしています。入金は再開済みですが、出金は停止が続いており、後の発表から45時間以内の再開を見込むとしています。技術的な事後報告と更新版の Proof of Reserves の公開が予定されています。

