
Floci は、開発・テスト・CI 向けの無料・オープンソースのローカル AWS エミュレーターです。手元のマシンで動き、http://localhost:4566 で AWS 互換の API に応答するため、AWS CLI、各種 SDK、Terraform、Testcontainers をダミーの認証情報のまま、AWS アカウントなしで使えます。開発元は GitHub の floci-io で(当初は作者 hectorvent 氏のアカウントで公開)、Azure、Google Cloud、Oracle Cloud 向けの姉妹エミュレーターもあります。
注目される理由:LocalStack は2026年3月23日に無料の Community 版を終了しました。現在の Docker イメージは登録アカウントに紐づく LOCALSTACK_AUTH_TOKEN がないと起動せず、無料の Hobby プランは非商用限定、商用プランは月額39ドルから、アーカイブされた Community 版のコードにはセキュリティ更新が提供されません。Floci はそのまま置き換えられる代替をうたい、アカウントもトークンも不要、ポートも同じで、LocalStack の環境変数の多くを自動で読み替えます。移行はほぼイメージ名の変更だけで済むとしています。
強み(プロジェクト自身の数値):Quarkus で書かれ、ネイティブバイナリにコンパイルされています。起動は約24ミリ秒、アイドル時のメモリは約13MiB、イメージは約90MB(LocalStack は約1GB)、SDK 互換テスト1,925件で合格率100%とうたっています。RDS、ElastiCache、EKS、ECS などはプロセス内のモックではなく実際の Docker コンテナで動き、S3、SQS、SNS、DynamoDB、Lambda、IAM、KMS などの主要サービスにも対応します。ただし DEV の記事が紹介した実測では起動は130ミリ秒近くで、数値は最良条件と考えるべきです。
試し方:Floci CLI で floci start を実行し、eval $(floci env) で環境を設定します。または Docker Compose で floci/floci:latest イメージをポート4566で定義し、docker compose up を実行します。安定版は毎月15日と月末に公開され、その間はナイトリービルドが出ます。
ライセンスと限界:MIT ライセンスです。リポジトリのスターは約3万1,000、フォークは約3,400で、11月3日〜6日には GitHub トレンドで1日最大約1,090スターを獲得しました。Hacker News では過去の投稿が292ポイント(3月)と220ポイント(9月)を集めています。LocalStack より新しく、対応範囲や細かなケースの網羅はまだ劣ります。Hacker News では、LocalStack は AWS と密接に連携しており、コミュニティ主導のプロジェクトがすべてのサービス変更に追随できるのか疑問だという声もありました。チーム全体で切り替える前に、必要なサービスが対応しているか確認してください。


