
Sophos の脅威調査チーム Counter Threat Unit(CTU)は、ランサムウェア Aur0ra(Aurora とも表記)を運営するサイバー犯罪グループ GOLD OGRE が「攻撃に AI を広範に利用している」とする調査結果を公表しました。Sophos によると、侵入には Cursor(エージェント型コーディングモデル Composer を含む)と、Anthropic、xAI、Moonshot のモデルが使われていました。当初はほぼ Anthropic のモデルのみでしたが、後から他のモデルも加わっています。ツール開発から実際の侵入へと重心が移った時期と重なる可能性がある、とされています。
手口:人間は VPN の認証情報、SOCKS 経由のアクセス、標的、目的を与えるだけで、作業の大半は AI エージェントが担っていました。ネットワークや Active Directory の調査、ファイル共有・バックアップ・クラウド連携ストレージの探索に加え、パスワードスプレー、Kerberoasting、NTLM の強制認証とリレー、ファイルやバックアップからの認証情報の抽出まで行っています。使われたツールとして Nmap または NetExec、BloodHound、PetitPotam、Impacket、Certipy、Cobalt Strike が挙げられ、データは S3 バケットへ持ち出されていました。一部の環境では、エージェントが認証情報の取得からドメイン管理者権限の奪取まで進み、そのうち3組織が後に Aur0ra のリークサイトに掲載されました。被害組織の総数は公表されていません。
安全制限の回避:Sophos によると、攻撃者は侵入を「許可されたレッドチーム演習」や「診断テスト」と説明することで、AI のガードレールをすり抜けていました。
発見の経緯:CTU は2026年5月、複数ベンダーの EDR 製品を試験する AI 支援型フレームワークを報告していました。同じ基盤が後に Aur0ra の攻撃用 Cobalt Strike をホストしているのが確認されています。8月下旬には、Sophos が Cursor のチャットログやシェル履歴、Windows 版と Linux(ESXi 対応)版のランサムウェアを含む痕跡を入手しました。Gambit Security と CloudSEK も同じ公開ディレクトリについて報告しています。ロシア語のプロンプトやキーボード配列の痕跡から、運営者はロシア語話者とみられますが、正式な帰属ではありません。Sophos は、他のランサムウェアグループも AI エージェントを組み込む可能性が「非常に高い」としています。

